退院後の高齢者の生活について考えておくべきこと

高齢者になると、入院が多くなる。入院準備や入院中の生活、入院費の段取りだけでも大変だが、退院後もやることが多いことはあまり知られていない。退院できたから一件落着とはいかないのだ。

たいていの場合、退院後にはリハビリを行わなければいけない。1週間だけでも寝たきりでいると、人間は体力の15%が減ってしまう。これが高齢者になると、体力低下の度合いは大きくなるだろう。そのため、数週間の短い入院でもリハビリを行う必要が出てくる。

そのリハビリを自宅で行うのか、施設で行うのかを決め、施設で行うのならその手配もしなければならない。自宅で行う場合も、自宅をリハビリに適した環境にする必要があり、訪問介護士の支援を受けなければいけないこともあるだろう。

施設の手配も、一筋縄でいかないことが多い。自宅からの距離、料金、環境が要介護者に合っているかなどを考慮し、その施設が受け入れ準備をできるように迅速に連絡を取らなければならない。その上、施設の手配は病院側に手伝ってもらえないことが多く自分で行わなければならない。速い段階で医療ソーシャルワーカーなどに相談し、早め早めの決断をしていくことが大事なのだ。

また、入院が長引き長い間寝たきりでいると、高齢者の認知機能は大幅に下がることがある。そうなると入院前の生活に戻ることを目的とせず、退院後に新たな生活スタイルを模索する必要も出てくる。今までできたことができなくなり、コミュニケーションの取り方も変わるだろう。